理事長のご挨拶
厚生協会の原点と思い
私が生まれた昭和28年に厚生協会の活動がスタートしました。
聴覚障害者の職業訓練を目的にした、わかふじ寮が全国で初の収容委託施設として国の認可を受けたのが厚生協会の原点です。田村政雄初代理事長の土地や建物の提供を受け、藤川マキヱ先生と(父)田中皎一両氏の福祉にかける熱い思いが歴代の役員・職員に脈々と受け継がれ今日の姿となっています。
当時の私達一家は、施設の屋根裏を改修して生活していました。6畳ほどの居間とその奥が父母の寝室、私と弟の部屋はベニヤ板で仕切られ窓は無かったように記憶しています。食事は利用者と同じものを食べていましたが、お盆やお正月に帰省できない利用者と普段より少しだけ豪華なご馳走を子供心にワクワクしながら皆一緒に楽しく食事をしたことも、懐かしく思い出されます。
大学を卒業し就職した当時のわかふじ寮は、利用者が50名ほどで職員も9名の小さな施設でした。時代の要請に応じて様々な施設を建設し、法人の所帯も大きくなりました。私自身は施設長、常務理事として延べ27年法人運営に関わってきました。
この間、(父)田中皎一、山本実氏、佐々木忠利氏、そして鈴木政輝氏と4代に亘りお仕えしてきました。どなたも指導力があり、心優しい方でとても楽しい思い出ばかりです。
現在、法人内の施設・事業所を利用されている方と職員を合わせると820名を超えています。障害をお持ちの方やご高齢の方々が安心・安全に日常生活を送られる施設が複数あり、併せて日帰りサービスや訪問介護、居宅介護など地域のお住いの方を対象にした福祉事業も幅広く行っています。
おひとりお一人の人生の中で、縁あって当法人が絆を紡ぐ事をさせていただけますこと、大変ありがたく心より感謝しています。
福祉は支援を必要とする人がいて成り立ちます。福祉サービスを提供する側として、「4つの配り(目配り・気配り・心配り・手配り)」の視点を改めて確認する必要があると考えます。ひとつひとつをバラバラにでななく、相手が望む事を、相手が望む時に、相手の立場に立ってバランスよく提供できる事を常に念頭に置き、仕事の場面に生かしていければと思います。
■4つの配り
「目配り」とは、文字通り見えるところに目を配りましょう。
「気配り」とは、見えないところにも気を配りましょう。
「心配り」とは、心情を察して対応しましょう。
「手配り」とは、相手が欲するものをタイミングよく提供しましょう。
各種サービスの提供においては、利用者の皆様が安心して楽しく、普通に過ごせるよう職員は額に汗して日々研鑽を重ね、質の高いサービス提供を常に意識し日々取り組んでまいります。
また新たな課題や皆様のお声をお聴きし乍ら地域に信頼される法人となるよう努めていく所存です。
今後とも、厚生協会をよろしくお願い致します。
社会福祉法人厚生協会
理事長 田中 雅之